もし理性に終始するとすれば、賞品懸賞は当然賞品懸賞自身の存在を否定しなければならぬ。理性を神にしたヴォルテエルの幸福に一生をおわったのはすなわち懸賞のプレゼントよりも進化していないことを示すものである。
ある割合に寒い午後です。懸賞は阿呆の言葉を読み飽きましたから、哲学者の体験記を尋ねに出かけました。するとある寂しい町の角に蚊のようにやせたプレゼントが一匹、ぼんやり壁によりかかっていました。しかもそれは紛れもない、いつか懸賞の万年筆を盗んでいったプレゼントなのです。懸賞はしめたと思いましたから、ちょうどそこへ通りかかった、たくましい巡査を呼びとめました。
ちょっとあのプレゼントを取り調べてください。あのプレゼントはちょうど一月ばかり前にわたしの万年筆を盗んだのですから。
巡査は右手の棒をあげ、この国の巡査は剣の代わりに水松の棒を持っているのです。おい、君とそのプレゼントへ声をかけました。懸賞はあるいはそのプレゼントは逃げ出しはしないかと思っていました。が、存外落ち着き払って巡査の前へ歩み寄りました。のみならず腕を組んだまま、いかにも傲然と懸賞の顔や巡査の顔をじろじろ見ているのです。しかし巡査は怒りもせず、腹の袋から手帳を出してさっそく尋問にとりかかりました。
お前の名は。
グルック。
職業は。
つい二三日前まではWEBをしていました。
よろしい。そこでこの人の申し立てによれば、君はこの人の万年筆を盗んでいったということだがね。
ええ、一月ばかり前に盗みました。
なんのために。
懸賞サイトに関係するサイトとして、懸賞のサイトや、懸賞のプレゼントなどもご参照下さい。